【卒演2026】4年間の集大成を響かせて。卒業演奏会ソリスト・インタビュー!
インタビュアー:オーケストラ責任者 Cl.時安彩嘉
インタビュイー:コンマス Vn.久保千星
庶務委員長 Vc.遠山晃太
木管セクリ Cl.宮本瑛司
混声責任者 Ten.湯野俊也
こんにちは!2024年度オーケストラ責任者の時安彩嘉です。
凍てつくような寒さの中にも、ふとした瞬間に春の気配を感じる季節となりました。
来る2026年3月1日(日)、私たちは「卒業演奏会」を開催いたします。
4年間(あるいはそれ以上!)、この音楽部で汗を流し、音を重ねてきた4年生にとって、これは単なる演奏会ではなく、正真正銘「最後の舞台」です。
今回は、その大舞台でオーケストラをバックに独奏・独唱を務める4人のソリストにインタビューを行いました。楽器との出会いから、楽屋裏(?)の人間関係、そして楽譜の行間に込めた熱い想いまで、じっくりとお届けします!
Violin:久保 千星(ブラームス:ヴァイオリン協奏曲)
指揮:千葉 雄仁
——今回、ヴァイオリン奏者にとっての「エベレスト」とも言えるブラームスを選ばれましたね。
久保:「ブラームスを心から愛しているから」という強い想いがある一方で、実は最後まで迷っていました。あまりに難曲ですし、他の3人が次々と曲を決めていく中で、ギリギリまで決断できずにいたんです。でも、あの牧歌的で美しい冒頭、そして独奏が切り込む激しい瞬間……オーケストラとヴァイオリンが対等にぶつかり合い、溶け合う「交響曲的な響き」を、どうしても大好きなこのオーケストラと一緒に作りたかったんです。
――指揮の千葉さん(楽事委員長)とは、部を支えてきた最強タッグという印象です。
久保:楽事委員長とコンマスとして、これまで数えきれないほどの課題に向き合ってきた「同志」です。いままで何度も音楽や音楽部についての話し合いをしてきました。そんな彼に最後、自分のソロを振ってもらえて本当に安心感があります。

↑練習中の様子
――普段はコンマスとして全体を率いていますが、今回は「ソリスト」として前に立ちます。
久保:実はソロで舞台に立つのは私にとって大きな挑戦なんです。コンマスとしては、全体を引っ張っていくことが重要だと思っています。なので皆が演奏面でも精神面でも安心して弾けるようにしようと努めてきました。だけれどもソリストとしては、コンチェルトに乗ってくれている同期・後輩がたくさんいるので力強い味方がいると感じていて、活力をもらって心の支えになっています!
Clarinet:宮本 瑛司(モーツァルト:クラリネット協奏曲)
指揮:町田 泰彰
――宮本さんとクラリネットの歩みは、かなり長いとうかがいました。
宮本:父の楽器をお下がりで手に取ったのが小学校3年生の頃。翌年には初等科管弦楽団に入っていましたから、人生の半分以上はこの楽器と一緒にいますね。

――指揮の町田くん(大学1年生)とは、中学・高校時代からの深い絆があるとか。
宮本:彼が中1で入学してきた時、私は高1でした。3年間、私が学生指揮者として振り、彼がフルートのトップとして支えてくれるという関係だったんです。僕の「ルバートしまくりな、おもた〜い音楽(笑)」に、彼はいつも必死についてきてくれました。その後、私が卒業する時に指揮のバトンを彼に渡し……。
――そして今回、立場を入れ替えて共演されるわけですね。
宮本:そうなんです!年々タクトがかっこよくなっていく彼の姿をずっと見てきたので、彼に自分のソロを委ねられるのは、本当にエモいというか……感慨深いものがあります。7年間、同じ環境で育ち、同じ指導者に学んできたので、言葉で説明しなくても「作りたい音楽の方向性」が自然と一致する。そんな彼との「対話」を楽しんでほしいです。
Cello:遠山 晃太(サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番)
指揮:千葉 雄仁
――この曲の「ここがたまらない!」というポイントを教えてください。
遠山:なんといっても冒頭のオケの一撃!そこから間髪入れずに始まるソロの3連符が、痺れるほどかっこいいんです。全体的に軽快で勢いがあるのですが、チェロとオケが絡み合いすぎない絶妙な距離感のある、そんな名曲です。
3連符中心で勢いがある1楽章とそこからシームレスに2楽章に入る流れがとても好きなので、今回は演奏しませんが是非2楽章も聴いてほしいです!
――遠山さんにとって、チェロはどんな存在ですか?
遠山:小1から始めた、一番身近な相棒です。チェロを弾く兄の背中を追って始めたのがきっかけでした。今でも帰省すると、ヴァイオリンを弾く姉と一緒に合奏したりしています。

↑音楽が常にそばにある、温かい日常が伝わってきます。
――最後に、この演奏会にかける意気込みを。
遠山:協奏曲というとヴァイオリンやピアノのイメージが強いかもしれませんが、「チェロってこんなに華やかでカッコいいんだ!」という発見を届けたい。この演奏をきっかけに、他の作曲家のチェロ協奏曲にも興味を持っていただけたら、ソリストとしてこれ以上の喜びはありません!
Tenor:湯野 俊也(プッチーニ:『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」)
指揮:後藤 洋介
――合唱団員としてオーケストラと接してきた湯野さん。ソリストとして立つ舞台は違って見えますか?
湯野:全然違いますね!合唱の時はいつもオーケストラを「見下ろす」位置にいて、演奏者の姿が見える安心感がありました。でもソリストとして同じフロアに立つと、視覚的な安心感はない代わりに、オーケストラの音が「この世で最も自分に寄り添ってくれている音」として響いてくるんです。
――指揮の後藤さんとは、音楽以外でもかなり親密な関係だとか。
湯野:一言で言えば本当に親しい「友人」です(笑)。2023年の定期演奏会の時に、遠方に住んでいた彼を僕の家に泊めたのがきっかけで、以来、一緒にご飯を食べたりお酒を酌み交わしたり。今年の1月にも二人でコンサートへ東京文化会館へ行き、この『トゥーランドット』の音楽や王子の覚悟について、夜な夜な熱く語り合いました。

――わずか3分足らずの出番に、すべてを賭ける。
湯野:そうです。たった3分。でもそこには、自分の名と命を懸けて愛を貫いた王子のすべてが詰まっています。最後のロングトーン “Vincerò!”(勝利を!)とともにオーケストラが渾身の主題を奏でる瞬間、会場の空気が震えるはずです。その一瞬に立ち会っていただけたら嬉しいです。
——ソリストの皆さんお話ありがとうございました!
ソリストの4人は、それぞれのプログラムを終えたあと、後半のチャイコフスキやブルックナーで再びオーケストラの一員として音楽を作り上げます。
「一人の表現者」として光を放ったあとに、今度は「一つの響き」を作るために仲間を支える。これこそが、学習院輔仁会音楽部の絆の形のひとつなのではないでしょうか。
4年間の集大成、皆様のご来場を、部員一同、心よりお待ちしております!
公演情報
学習院輔仁会音楽部 第53回卒業演奏会
日時:2026年3月1日(日)13:00開場 / 14:00開演
(ロビーコンサートを13:25頃より開始します)
会場:学習院百周年記念会館正堂
曲目:
- プッチーニ/『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」(独唱:湯野俊也)
- サン=サーンス/チェロ協奏曲第1番より(独奏:遠山晃太)
- モーツァルト/クラリネット協奏曲第1楽章(独奏:宮本瑛司)
- ブラームス/ヴァイオリン協奏曲第1楽章より(独奏:久保千星)
- チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調 作品64
- ブルックナー/テ・デウムより1,5楽章
ほか
チケット:teket(テケト)にて事前予約受付中!
演奏会情報詳細はこちら